お昼の食事時間と量を自分で決める

お昼の食事時間と量を自分で決める

第35回 記事お昼の食事時間と量を自分で決める

2025.3.28

お昼の食事時間と量を自分で決める

お昼の食事時間と量を自分で決める

この園の3歳児、4歳児、5歳児は、だいたい11時45分から13時の間に、子供たちはそれぞれの遊びが終わったタイミングなど、自分の食べたいときにランチルームに集まってきます。

食事はバイキング形式で提供されています。子供たちは1か所に積んで並べられているトレーをとり、その上にお皿やお箸を並べてから、料理の並んでいるカウンターに進み、自分で食べられる量だけ盛り付けていきます。この日の献立はチーズ入り卵焼きと野菜の和え物です。ご飯とみそ汁は、保育士や調理員が一人ひとりに食べたい量を聞き取りながら、湯気の立つ炊飯器やお鍋から盛り付けて提供します。料理それぞれの基本の盛り付け量として見本が示されていますが、保育士はご飯を盛り付けながら、一人ひとりの食べる量を確かめています。3歳、4歳、5歳と年齢により食べる量は異なりますが、たくさん食べる3歳児もいれば、小食な5歳児もいます。食事に対して、食べる量や残すことで評価しないようにしています。

この日、5歳児は午後からプラネタリウムに出かけるため、早めに食事を済ませていて、3歳児と4歳児が食事していました。とても落ち着いた食事の様子で、自分で盛り付けた料理を食べ終えた後、野菜と卵焼きをお代わりしている子もいました。

調理は給食会社に委託していますが、食事内容は園からのリクエストを優先して保育内容や行事に併せて献立を作成してもらい、食材の切り方などもいろいろお願いしています。子供たちは園の調理員と、キッチンの前で「今日のご飯はなあに?」「今日のおやつは?」とコミュニケーションをとっていて、顔が見える関係ができています。

「食育」につなげる

お昼の食事時間と量を自分で決める

2階のテラスの日当りの良い場所に、プラスチックの樽がおかれていて、香ばしい良い香りが漂っています。醤油の香りです。この園が醤油作りを始めたのは2年前からです。昨年は出来上がった醤油を子供たちが持ち帰り、ご飯にかけて食べたり、豆腐にかけたりと、好評な意見が届き、今年も仕込み中です。

他にも、給食調理の時に出る野菜くずを利用して、地域のお米屋さんに米糠をもらいに行き、近くの公園で許可をいただいた落ち葉を持ってきて混ぜて、子供たちと一緒にコンポスト作りをしています。毎日、野菜くずをキッチンから持ってくるのは子供たちです。子供たちが想像以上に協力的に持ってくるので、保育士も発酵の速度などコンポストの状態をていねいに確認したりしています。

テラスには収穫の後のミニ田んぼもあります。実家が農家の保育士が苗をもってきて、米作りをしました。収穫できたのは僅かでも実った稲を脱穀したり、精米したりの過程を、保育士たちが聞いたり調べたりしながら、知恵を寄せ合い、子供たちと一緒に食べることができました。

子供たちの興味に保育士が応え、保育に活かされ食育につながっています。


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