家庭との連携と地域の子育て支援

家庭との連携と地域の子育て支援

第10回 記事家庭との連携と地域の子育て支援 -保育園から広がる子育ての輪-

2024.10.04

保護者との信頼関係の構築

こちらの園では、「保育士の魅力は子供たちと丁寧に関わる中に幸せがあり、子供たちだけでなく保護者との関わりにも幸せが広がり、思いがけないたくさんのお返しがあり、それが保育の魅力になる」と考えています。

保護者との関わりでは、日常の何気ない会話の中で、困りごとのサインを感じた際に、困っていることにしっかり寄り添います。また、求められれば、いつでも面談できるようにしています。保護者から園の保育運営に対する意見があった場合には、すぐに対応し、改善や解決につなげていきます。そうすることで、保護者からの信頼が厚くなり、事態が深刻になる前に相談ができる関係が構築できるようになるのです。

このような保護者との信頼関係から、この園では卒園児の保護者が中心となって「見守る子育ての会」ができています。これは、園が中心になって作ったのではなく、この園の保育に共感した保護者が、この保育方法を地域の子育てにも取り入れたいという想いで作ったものです。この会では、保護者自身が子育てを振り返る機会として、自主的に年に1回、講演会を開催しています。この講演会は、地域全体にも広がり、園に子供が通っていなくても、保護者を通じて地域全体のつながりができ、地域全体で子供を見守るようになりました。

地域に広がる子育て支援

地域に広がる子育て支援

地域に向けての子育て支援活動も多様に実施しています。子育て相談、一時保育、子育て家庭の交流イベントなど地域の子育て家庭へ向けても積極的に呼びかけています。

「赤ちゃんの発達について知りたい!」「離乳食どうしよう?」「保育園ってどうやったらはいれるの?」「子育ての話を聞いてほしいな…」など、「どんなことでも大丈夫です!」と呼びかけて実施しているのが子育て相談。また、一時保育では、家庭ではできない新生児の体重測定や乳幼児期の保健に関する情報など専門家が伝えています。「お子さんと一緒に 遊びに来ませんか? 子育てについて語り合える仲間がいると、子育てはもっと楽しくなりますよ」と呼びかけて実施している子育て家庭の交流イベントでは、子育て中の親子などが交流する機会となり、地域の子育て家庭のつながりが出来ています。

一時保育では、卒園生も活躍しています。放課後や長期休みにボランティアとして、子供たちとの交流や園の行事の手伝いを行っています。
もう一つ、在園児の父親が保育をする「父親保育」があります。保育者として自分の子供以外のたくさんの子供たちと関わることにより、子育て意識の変化を感じることができるのです。この活動が発展して、卒園児の父親が園で保育をするOB父親保育もでき、毎年12月に実施されています。園児と地域住民がお互いを知っていることにより、地域全体で子供を見守ることに繋がっています。

このように、家庭や地域の子育て支援を行うなかで、園での保育が、家庭から地域へと広がっていき、園と家庭、地域という全体で連携して子供の育ちを支えているのです。


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