第13回 記事子供も大人も一緒に育ちあう保育
保育園では、同じ年齢の仲間や就学前の様々な年齢の子供たちが一緒に遊び、生活を共にしています。
初めは一人遊びを楽しんでいた3歳児クラスの子供たちも夏頃には、同じ場所で一緒に遊ぶことが増えてきました。そうなるとおもちゃの取り合いや、嫌なことがあったら泣いたり怒ったりするトラブルも多くなってきます。泣いたり、笑ったりしながらトラブルを乗り越えていく、そんな経験をたくさんしながらお友達に興味を持ったり、お友達と遊ぶのっていいなと思ってもらいたいと保育士は願っています。
最近、いつも二人で遊んでいるAちゃんとBちゃん。Aちゃんが他の友達とのおもちゃの取り合いで怒りそうになった時、Bちゃんは、「はい、これもあるよ、あれもあるよ」とAちゃんに話しかけていました。関わりの中で相手の気持ちや友達の性格も分かってきているんだと感じることがあります。
4歳児クラスのプールでは、夏の初めは水が苦手な子供もみんなと一緒に日に日に水遊びを楽しめるようになっていきました。ある日、4歳児クラスと5歳児クラスが一緒にプールに入ることがありました。5歳児クラスが勢いよく水に潜ったり、水中を自由に動き回る姿を真剣に見ていた4歳児クラスの子供たちは、「すごーい!!」と大盛り上がりでした。そんな観客からの声援で5歳児クラスの子供たちは鼻高々、4歳児に褒められちゃった!と自信をつけていました。普段は、一緒に入らないプールですが、4歳児と一緒に入ったおかげで5歳児は嬉しい気持ちになり、4歳児はカッコよく泳ぐ5歳児の真似をして、お互いの刺激になる機会となりました。
同年齢や年下を思いやる気持ち、お世話する行動は子供同士のかかわりの中で育っていきます。また、少し年上のお兄さん、お姉さんのやることを見て自分もやってみたいと思う気持ちが芽生えます。自分の力だけではちょっと難しいことでも「誰か」と一緒に成し遂げる経験が子供の成長を促します。「誰か」は、子供同士のこともありますが保育士のことも多くあります。
保育士は、子供の興味関心を拾えるように努めています。子供のやってみたいことに「無理じゃない?」は言わず、実現するためにはどうしたら良いかを一緒に考えます。行き詰った時には他の保育士に相談してアドバイスをもらうこともあります。
「何をやるにしても職員が本気でやる。そういう姿を大人が見せると、子供も大人の姿を見て、やってみようとか、やってみたいとかいうようになるということを見てきた」、「子供たちは大好きな先生たちのことをずーっと見て、先生たちがこういうことをやってくれるということが分かっているからこそ、○○先生好き~と言ってきてくれる」と園長先生は言います。
「とにかく保育を楽しんでもらいたい。毎日、子供の違った表情を見て試行錯誤しながら保育して、それに対して子供が返してくれた時の子供の成長に達成感を感じて欲しい。子供と一緒に失敗してしまうことがあっても失敗は成功のもとにもなります。保育士も子供と一緒に成長していくもの。保育園は次世代を担う子供たちを一緒に育てていく、育つ環境に身を置けるのはすごく幸せなことだと思う。保育士を目指す方々には安心してこの世界に来てほしい、そして一緒に保育を楽しみましょう」と園長先生からエールの言葉をいただきました。
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