0歳、1歳を支える保育

0歳、1歳を支える保育

第16回 記事0歳、1歳を支える保育

2024.11.18

お散歩へ出かける保育士の目配り

0歳、1歳を支える保育

住宅街の真ん中にある保育園では、近所にある公園にお散歩に出かけるのが楽しみです。幸いに近くに色々な公園があり、状況に応じて公園を選んで出かけます。

玄関には「お散歩マップ」を展示して、在園児の保護者や園を見学される方に、「園の近くにはこんなに、出かける公園があります」と紹介されています。

雨が心配されていた午前中、空は薄曇りになったので、1歳児を散歩カーに乗せて、すぐ近くの公園へ向けて出発しました。

住宅街を進んでいくと、近くにある別の保育園の子供たちに出会いました。同じ公園に向かうようで、二つの園の子供たちが、道の端を2列に並んで進みます。黄色い帽子の子供たちとピンク色の帽子の子供たちがそれぞれお散歩カーとその後ろに縦列に並んで進みます。道路を横切るときに安全確認のために立ち止まると、かわいい子供たちの渋滞になりました。公園に到着すると、子供たちがお散歩カーから降りる前に、一人の保育士が、公園内をぐるりと真剣なまなざしで見廻りを始めます。子供が拾って危ないものが落ちていないか、危険な場所ができていないかなどを確認します。一周して戻ってきたときに、捨てられていたペットボトルを拾ってきました。

「一緒に遊ばせていただきます」「お願いします」とどちらからともなく保育士同士が声をかけて、子供たちが公園に広がりました。ピンクの帽子と黄色の帽子の子供たちがいつのまにか入交り、公園の遊具を一緒に使い、遊んでいます。保育士たちも笑顔で見守っています。公園でも、子供たちが興味を持つ遊びに発展するように、保育士が背負ったリュックサックには、公園で遊べるおもちゃを入れてきました。保育士がおもちゃを広げると、子供たちが寄ってきて、おもちゃを持って散らばりました。保育士は車の通りが少ない道でも、安全を確保するための目配りは真剣に、子供たちには笑顔で対応して、公園で遊ぶ期待でわくわくする気持ちが感じられるように歌ったり演出したりしていました。

0歳児のはいはいへの発達支援

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4月に月齢の高い4名の0歳児が入園しました。1歳近くになると順調に歩行ができるようになります。歩行の前にずりばい、はいはい、伝い歩き、歩行へと順調に歩行が進む子供となかなか歩行に進まない子供がいます。

7か月になるAちゃんは、いつも座っていることが多く動きが少ないことに保育士は気が付きました。ゆったりと座って、手の届くところにあるおもちゃだけで遊んでいます。家庭でもおもちゃを身近に置いておくと静かに遊んでいるので、保護者は特に問題意識はなかったようです。保育士は保護者にそれとなく、園では欲しがるおもちゃを、手を伸ばして、少しはいずりしなくては届かない場所に置くようにしていることを伝えました。家庭でもこのことを共有して、同じようにやってもらったところ、ずりばいができるようになり、やがて、はいはいで行動範囲が広がって動くようになりました。

この時期の子供の発達の状況は個人差がありますが、家庭の生活状況も影響するので、保育士は保護者と子供の生活活動について、気軽に話し合える環境をつくることが大切です。


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