第19回 記事保護者を支える関係の作り方
オンライン連絡帳で伝える子供の姿
この園では保護者と園の連絡帳は、オンラインでやりとりできるようにしています。保護者も保育士もオンライン連絡帳は便利に使っています。
毎日、園から保護者に伝える際には、「お子さんが今日1日、楽しくいい時間を過ごせた」ということが伝わるように、具体的なエピソードを交えながらメッセージを送ります。保護者は、食事がちゃんと食べられたのか、お昼寝できたのか、楽しく遊べたのかなどをいつも気にかけています。その具体的な様子を肯定的に伝えるように保育士は心がけています。そうすることで保護者との信頼関係が構築されていくのです。
ある1ヶ月間、連絡帳強化月間というのを実施しました。保育士が保護者に送る連絡内容を園長が確認して、良かったところを示して保育士にコメントしていきました。書いてある内容から、保護者が園にいる子供の様子を想像して、安心したり、嬉しく感じられたりするような連絡帳にしたいと考えています。園長から「この表現が良かった、○○ちゃんが成長できたことがよくわかりますね」とコメントされると、保育士は子供の観察力がさらに増し、表現する文章力もついていきます。すると保護者へも適切に情報が伝わるようになるでしょう。
憩いの場にもなる玄関ホール
この保育園の玄関ホールは、意図的に広めになっています。その先に、職員室があり、ガラス窓の奥に園長先生が笑顔で座っています。
玄関ホールにはモニターが設置されていて、その日の保育の様子を撮影した写真をスライドショーで流しています。お迎えに来た保護者と子供がモニターの前に並んで座り、話をしながら眺めている姿がよく見られます。
絵本を並べたコーナーがあり、貸し出しもしていて、忙しくてなかなか図書館に行けない保護者にも好評です。迎えに来た時、子供が読もうとした絵本をそのまま貸し出しできるので、帰宅してから親子でゆっくり読むことができます。迎えに来る時間が同じになる保護者同士が親しくなり、親しくおしゃべりしてから帰るという場にもなっています。
仕事を終えて迎えに来た保護者は、担当保育士からの申し送りがされた後、そのまま帰宅することもあるのですが、ちょっとここで一息つきたい保護者もいます。週末近くになると疲れが出ている様子の保護者に対しては、「あと1日ですよ!」などと声をかけるのは園長です。園長が忙しそうにしていると保護者は話しかけにくいと思うので、園長は話しかけやすい位置に笑顔でいるようにしています。そうしていると、保護者から「ちょっといいですか」と相談が持ち掛けられることがあるからです。
担当保育士は、保護者にその日の連絡事項を伝えたら、他の子供の保育のために保育室に戻ります。園長がそのあとの親子の様子をみていると、保護者は家に帰る前に一息入れて、子供は保育室では見られない姿を見せてから、帰路につくのです。
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