第23回 記事保育者と保護者がともに子供を育む環境
保護者と保育者は一緒に子供を育てるパートナー
保育園で過ごす時間は子供の1日の大部分を占めます。
そのため、保育園と家庭が連携することで、子供一人ひとりの成長を一貫して見守り、より良い成長を促すことができます。
こちらの保育園では、“保護者と保育者が一緒に子供を育てるパートナー”という考えのもと、家庭との面談を積極的に行っています。保育園でできること、家庭でできることを具体的に伝え、保護者の理解と協力を得ることで、共に子供を育てる気持ちが育まれています。
面談や日々のやり取りだけでなく、イベントでも保護者と連携しています。
例えば、年長児の園外活動として近隣の美術館に行く計画がありましたが、夏の暑さによる熱中症が心配でした。そこで、保護者の協力を得て、任意での参加のもと土曜日に現地集合・現地解散で実施しました。子供たちは美術館で様々な芸術に触れ、楽しみました。
全員が参加できたわけではありませんが、参加しなかった子にも体験を共有するために、夏祭りの事務室のブースを美術館に見立て、子供たちはごっこ遊びの感覚で美術館を体験しました。これにより、年長児だけでなく園全体で美術への興味が高まる様子も見られました。
このように、園での活動の意図を丁寧に保護者に伝え、時には保護者も巻き込みながら一緒に楽しむ保育を心掛けています
保育者の特技・個性を生かした保育
こちらの園には、保育士としての経験だけではなく、幼稚園や会社員など他業種での経験をもつ保育者も活躍しており、様々な特技をもつ保育者が子供たちの育ちを支えています。
例えば、先ほど紹介した『美術館ごっこ』で事務室を美術館に変身させたのは、普段は事務の仕事をしているイラストが得意な職員です。子供たちのお気に入りの絵本からヒントを得て、事務室に「蚊」のイラストをちりばめて何匹いるかクイズにしたり、たくさんの種類のキノコが描かれたイラストの中から「バナナ」と「ナス」を発見するゲームを作ったりしました。こうして、子供も大人も楽しめる美術館が完成しました。
このように、保育者それぞれの得意分野を生かして関わることができるのも保育の魅力の一つです。
様々な大人との関わりから、子供たちは多くの刺激を受け、可能性が広がっていきます。
自分の“得意”を生かして誰もが子供の成長に携わることができる、それが保育という仕事の素晴らしさです。
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