年齢や立場の垣根を越えてそれぞれに輝く保育

年齢や立場の垣根を越えて
それぞれに輝く保育

第31回 記事年齢や立場の垣根を越えてそれぞれに輝く保育

2025.2.28

年齢や立場の垣根を越えてそれぞれに輝く保育

こちらの園では年間を通して保育士たちがチームを組み、全園児を対象とした行事を計画しています。 その中で、20代の保育士が中心となったチームが「合奏遊び」を企画しました。
「夏の音楽隊が遊びに来るから、一緒に楽器作りと演奏会をしよう」という招待状とチケットを各クラスに配布し、期待感を持って集まった全クラスの子供たち。
身近な材料を使って、乳児クラスはマラカス、幼児クラスはマラカス・カスタネット・ギターから選んで装飾や制作を行いました。そして最後には作った楽器を使って全員で合奏を楽しみ、まさに「音」を「楽」しむ「音楽」を体現することができました。

この企画は、メンバーの1人である3年目の保育士が、今まで音楽に特化した行事があまりなかったことに着目したところから始まり、チームで話し合う中で具体化していきました。
実現までには、どこまで下準備をすればよいか、安全性は保たれているのか、といった細かい検討が必要でした。
普段の行事の中ではベテランに頼ってしまっていたことも、自分たちで一つひとつ考えてやり遂げなければいけません。必要な部分は先輩からアドバイスを受けて検討を重ねていきました。

招待状を受け取ってから当日を迎えるまでの日々の中でも、期待に胸を膨らませている言葉が幼児を中心にたくさん聞かれ、待ちきれない様子がみられました。
制作した楽器を奏でて遊んでいると、保育士の予想とは違った鳴らし方をする子供がいました。
ギターのようにかき鳴らすのではなく、弦をはじいて音を出してみたり、カスタネットを手で叩いて鳴らすと思っていたら振って鳴らしてみたり等、子供たちの中からどんどん自由な発想が生まれていきました。

1歳から本物に触れて食育のタネをまく

当日は保育士が想定していなかった楽器に人気が集中することもありましたが、綿密に計画と見通しを立てて準備してきたことで、足りない状況になることもなく過ごすことができました。
さらに、お楽しみの日が終わった後も、余った材料を使って子供たちが引き続き別の楽器を作って遊んでみたり、合奏を楽しんでみたりと演奏会の余韻を十分に感じながら楽しんで過ごしている様子がみられました。
このような子供たちの日々の様子や行事の過程についてまとめたもの等を、その都度保護者に向けて配信していますが、こちらの保育園では、再度保護者会の時期に印刷したものを掲示し、改めて保護者の方に一年の取り組みを知ってもらう機会を設けています。

掲示したお便りには「普段できない遊びを経験させていただきありがとうございます」「家でもやってみます!」「音楽が遊びを通してより好きになったみたいです」等の保護者から家庭での子供の様子や取り組みに関する感想などの生の声が書き込まれた“ふせん”がついていました。

行事だけでなく、普段の日常の姿も含めて大切にしている子供たちの姿を共有しあい、伝え合うことで、保育園と家庭、保護者と保育者といった垣根を越えて、相互に励まし合える仲間となりながら、子供たちの育ちに豊かに繋がっていく姿がそこにはありました。


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