第32回 記事子供の思いを大切にした活動を保育士同士で考える
保育士が試行錯誤しながら行事計画に取り組むことで、保育士同士のコミュニケーションが活性化された事例を紹介します。
こちらの園では、保育士たちが担当クラスとは別にチームを組み、春・夏・秋・冬のお楽しみ会を研修のなかで企画しています。前年度は経験年数によってチームを分けていましたが、今年度は保育士の年齢によって4つのチームに分けました。
年齢別でチームを組むことで、同じクラスを受け持つ保育士が複数名出る場合もありましたが、別のクラスの保育士が行事の時間帯にフォローに入りながら、活動に取り組める環境を整えています。
担当以外がクラスのフォローをすることで、普段は気づかない違う視点での保育をすることができ、クラス担当とフォロー担当にとっても、お互いに意義のあるクラス交流になっています。
また年齢の近い保育士が集まった結果、自由に意見が出しやすくなり、「あんなことをやってみたい」と次々にアイデアが出てきました。
そして春には子供たちが楽しむ劇遊び、夏には子供たちが作った楽器で演奏する合奏遊びを、秋には大小様々な素材を使ったしゃぼん玉遊びを楽しみ、冬はホール内に電車や駅を用意してICカードを模したカードで創造力を膨らませながらめぐる遊び等など、どれも創意工夫に満ちたお楽しみの企画がそれぞれのチームから立ち上がりました。
年齢の若いチームでは、普段は先輩保育士に頼ってしまうような場面でも、自分たちで試行錯誤し、行事を組み立てるための計画を綿密に練りながら進めていきました。
時に悩んだり行き詰まったりすることもありましたが、チームを超えて経験豊富な保育士に相談しながら解決をしていきイキイキと活動に取り組んでいきました。
また、ベテランのチームは、普段若い保育士にお願いしていることを自ら行ったり、若手からの相談にのったりしながら、どのチームも子供たちが多様な経験ができるように工夫をして、会の実現に向けて、自発的に動くことができました
保育士間のコミュニケーションにおいて、若い保育士は先輩保育士がいるとなかなか自分の意見を出すことにためらってしまったり、先輩保育士は意見や経験の押し付けになるのではと心配したり、お互いに遠慮してしまうことがありました。
しかし、この取り組みを通じてそれぞれが積極的に発信することができた結果、アドバイスを求めたり、求められたことに対して自分自身の意見を伝えたりと、今まで以上に積極的にコミュニケーションを取る様子がみられるようになっていきました。
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