子供が主体的に遊び込める環境作り

子供が主体的に遊び込める環境作り

第54回 記事子供が主体的に遊び込める環境作り

2026.9.24

受容と共感を大切にしながら子供が主体的に遊ぶための基礎を作る

受容と共感を大切にしながら子供が主体的に遊ぶための基礎を作る

0歳、1歳、2歳児は、安心・安全で家庭的な雰囲気の環境の中で、保育者の愛着・愛情をたくさん受けて、穏やかに過ごせるようにしています。

保育室にはコーナーを複数設置し、落ち着いた環境の中で遊べるようにすることで、主体的に遊ぶための基礎作りをしています。

特に1歳児は、言葉でのやりとりというよりは、物を介したやりとりが重要になってくるので、どんなものがどんな風に置いてあるのか、育ちや子供たちの様子に合わせ、コーナーの設置場所や方法も定期的に、また随時見直して環境を整えています。

その例として、1歳の保育室にはフワフワのお布団のようなソファを中心としたコーナーがあるのですが、そのソファがあることで子供たちが自分からソファに集まり、ゴローンと転がり、言葉はまだあまり出ないけれど、「気持ちいいね」という気持ちと空間を共有しています。これはソファという「物」があることでできることです。

さらにそういった場面や遊びの中で、子供の気持ちに対する受容と共感を大切にした言葉かけを行っています。

子供の思いを常に身近で受け止め、相談やお願いに応えられる存在に

子供の思いを常に身近で受け止め、相談やお願いに応えられる存在に

3歳以上児には、年長の最後までに自分たちで考えて、主体的に遊びを作ったり、行事を作ったりできるようになってもらいたいと考えているため、そこへ向けての育ちを意識して、日々の保育を行っています。

特に主体的に遊び込める人的環境としては、いろいろなことを子供が「したい!」と思った時に、保育者がいつも身近で応えてくれる存在であることを心がけています。そのことによって、子供たちは相談やお願いがしやすくなり、安心して主体的に遊び込みやすくなるからです。「先生は自分の願いを叶えてくれる存在なんだ」と子供たちに思ってもらえるようにすることが大切です。

子供たちがやったことのない遊びを保育者が提案するのも、主体的に遊ぶための種まきの一つです。

例えば鬼ごっこを全く知らない子供たちに、保育者が鬼ごっこの説明をして遊びます。その経験が楽しいものだと、子供たちは自分たちで「あの鬼ごっこ楽しかったね!」と思い出して、「またやろう!」とどんどん遊び込んでいくのです。

行事の場合も、子供たち自身で決めたり選んだりすることを大切にして取り組みます。

例えばお祭りごっこの場合、出し物も飾り付けも子供主体で決めることになっています。ある年の年長クラスはお化け屋敷を作りました。年中児はそこに遊びに行ってとても楽しみ、翌年年長になったときに、自分たちもお化け屋敷がやりたいと言いだしました。

保育者は「去年もお化け屋敷だったから違うのにしない?」と否定するのではなく、前年の楽しかった経験や昨年の年長さんへの憧れの気持ちを大切にし、「お兄さんたちがやっていたおばけ屋敷を自分たちもやりたい」という子供の気持ちと選択を受け止めました。

さらに、全てを踏襲してしまうのではなく、オリジナリティーを発揮できる余白をみつけて、「みんなのお化け屋敷になるように工夫していこう」と提案をします。

こうして創意工夫を引き出すことによって、子供たちの気持ちに寄り添いながら主体的な活動になるよう取り組んでいます。

💬 専門家からの一言

保育者が受容と共感を大切にしながら見守ることで、子供にとって相談や願いを伝えたい存在になっていくことが大切です。また子供たちが主体的な遊びを実現させる上で、いつも相談や願いに応えてくれる保育者の存在は、実現への強い自信につながるはずです。

監修 矢藤誠慈郎

(一般社団法人全国保育士養成協議会 常務理事)


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