第2回 記事乳児保育における保育士の関わり方 -子供たちが心地よく、安心して過ごせる場に-
子供の気持ちを尊重し、見守りながら待つ保育
Aさんは、入園当初、保育園でご飯を食べたり、眠ったりせず、保育士に抱っこされるのも嫌がる様子が続いていました。
初めて保護者と離れて過ごす環境に慣れなくて、不安になっていたと考えられます。
保育士さんは、その子が安心して、自らすすんで食事・睡眠をとれるようになるまで、見守り、待つ姿勢で接しました。
Aさんは、眠そうにしていても、保育園では眠らないという日が続いていましたが、保育士はAさんをベッドに無理に寝かせることはせずに、Aさんの気持ちを尊重して接していました。
乳児保育においては、特定の保育者と愛着関係を築くことが重要になるため、こちらの保育園の乳児クラスでは、子供たち一人一人に対して、決まった保育者が、繰り返し生活のお世話をしています。
Aさんのお世話も、同じ保育士が毎日繰り返して行っていました。
保育園が安心して過ごせる生活の場に
そんなある日、Aさんは保育室のクッションの上でふと眠ってしまいました。それまでは、どれほど眠そうでも保育園では眠ろうとしなかったのですが、Aさんにとって保育園が少しずつ安心できる場所になってきたのでしょう。
その後、Aさんは次第にベッドに座るようにもなりました。その日は、まだ眠りはしていませんでしたが、それまではベッドのところに行かなかったので、大きな変化です。
その後も、保育士は子供がベッドで眠りたいという気持ちになるまで、そっと見守り続けました。
すると、何日か経つと、Aさんはベッドで自分から眠れるようになったのです。
今では、すっかり保育園に慣れ、安心して過ごしています。
また、食事についても、入園当初は、保育園の給食を食べることができませんでした。そこで、Aさんのお家から持ってきた食事を出す試みをしていたところ、Aさんは少しずつ食べるようになりました。今では保育園の給食を食べられるようになっています。
乳児期においては、食事や睡眠、排せつなどの生理的欲求が十分に満たされることで、乳児は心地よく安心して過ごすことが出来ます。Aさんは、保育士との関わりのなかで、信頼関係が構築され、食事も睡眠も保育園で安心して出来るようになったのです。
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