第33回 記事結果よりも過程を~保育士も子供も過程を大切にすることでつながる~
結果よりも過程を大切にする
何気ない1日でも、目的がはっきりと見えないとしても、その過程をおもしろがったり楽しんだりしている子供たちに保育士が目を向け、「結果よりも過程を」大切にしながら日々の保育を行うことを、こちらの保育園では目指しています。
それは、大人が見たい姿だけを子供に求めるのではなく、日々の保育活動において、子供たちがどのように成長し、学び、楽しんでいるかを見守ることが保育士の役割の中で大切だと考えているからです。
この考え方は、子供だけでなく保育者の仕事や保育士同士のコミュニケーションにも当てはまります。
1つの行事に向けて制作や活動を考えるのではなく、あくまでも子供や保護者の視点を優先しつつ、普段の保育活動を通じて行事の準備を進められるようにしています。
例えば、こちらの園では、普段から写真などを通して保育内容や子供の姿を記録し、理解を深めていくドキュメンテーションを作成しています。行事の際には、そのドキュメンテーションを編集して活用しています。ドキュメンテーションには、絵の具遊びや制作、共同作業などのキーワードを含めて保存し、後から簡単に検索できるようにすることで、行事のために新たに文章を書き直す手間を省き、効率的に準備を進めることができます。自分が書いた文章だけではなく、様々な保育者の文章に触れることで、新たな保育の視点を知る機会にもつながります。
お互いの苦手と得意を共有し、活かし、楽しむ
また、保育者同士が得意なことや苦手なことを共有し合う文化を大切にしています。
保育者もそれぞれ得手不得手があります。苦手なことがあるからこそ、子供たちの気持ちを理解し、共感することができます。
例えば、写真が得意な職員や文章を書くのが得意な職員がいる一方で、それが苦手な職員もいます。園全体で、職員同士が得意なことや苦手なことを共有し、助け合うことで、保育の質を高めています。
さらに、保育者自身が楽しんで取り組むことも重要です。個々の保育者が得意なことや好きなことを活かしながら、子供たちと一緒に楽しむことで、子供たちにも良い影響を与えます。更にそれをチームで共有し、全員が関わることで、より一層の効果が期待できます。
例えば、釣りが得意な職員がいる場合、その職員だけでなく、他の職員も釣りに興味を持ち、一緒に楽しむことで、子供たちにも新たな学びの機会を提供できます。
このように、保育の現場では結果よりも過程を大切にし、子供たちの成長を見守りながら、保育者同士が助け合い、楽しんで取り組むことが重要です。これにより、子供たちにとっても保育者にとっても、より良い環境が作られるのです。
このページをシェア