第38回 記事多様なキャリアが紡ぐ、チームで育む保育
多様なキャリアが紡ぐ、チームで育む保育
子供たちが一人ひとり異なる個性を持ちながら生活をしている保育園は、同じように様々な個性を持った保育者が働いています。年齢層や経験年数も多岐にわたり、色々な思いや考え方を持っています。異なる個性を持った人と人が出会い、一つのチームとなって質の高い保育を行うためには、自分自身と向き合うことも大切です。そのためにこの保育園では、自身のキャリアをどのように考えているか、どういう姿になっていきたいかを具体的にイメージできるような取り組みが行われています。【保育者人生ポートフォリオ】を職員一人ひとりが作成し、園長やマネージャーと話し合う機会を持ち、自身の弱みや強みを語り合える場となっています。また、自分以外の保育者が書いた記録を見たり、子供について話し合う時間を持ったりして、色々な視点に気が付いたり、お互いに理解を深めたりしています。
子供も保育者も大切にされる場所
この園のある保育者は、前職は異業種でしたが、出産を機に離職し、お子さんが中学生になったときに、子育ての経験を活かしたいと保育士の資格を取ったそうです。
「保育園の保護者の方は、仕事と子育てを両立しながら日々働いているので、尊敬しています。それと同時に、園で行っている子育てひろばに来る未就園児の保護者の悩みや気持ちも理解できます。どちらの保護者も支えていくことができる保育者でありたい。」とその保育者は話します。また、現在では園で働く保育者たちも産休や育休を経て復帰している人が増えていること、そのような職場の仲間たちも応援できる人でありたいと力強く話してくれました。
現在では政策や時代の流れを背景に経験を積み重ねた中堅層が保育者として復帰し、仕事を続けていけるような制度が整えられてきています。新人、中堅、ベテランと色々な層がいることが、園のみんなの学び合いを豊かにし、保育の質を高めていきます。
また、以前と異なる環境の保育園で学びを深めたいと転職してきた保育者もいます。
「子供たちが一人ひとり愛され、大切にされていることはもちろん、この場所では保育者たちも大事にされている風土が広がっている。」と笑顔で伝えてくれました。
職員同士のコミュニケーションを大切にし、互いの思いや考え方を受け止められる環境がこの場所にはあります。「困ったことはチームで悩み、チームで対応していくことを大切にしている。それが人と向き合う勇気につながる。勇気が湧く現場でありたい。」と園長が話してくれました。
保育を通して色々な考え方の人とも交わることができる。保育とは本当に素敵な仕事で、子供たちとの関わり、そして保育者たちとの関わりの中で経験する、かけがえのない出来事の積み重ねで長く続けることができ、保育者として成長していくことができるのです。
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