保護者との良好な関係づくりの工夫

保護者との良好な関係づくりの工夫

第44回 記事保護者との良好な関係づくりの工夫

2025.12.19

保護者がほっとできる空間づくり

保護者がほっとできる空間づくり

こちらの園の玄関には、季節を感じさせる小物や絵本が展示されているコーナーがあります。この展示はこのような作業が得意な保育士によるものです。この日、飾られていたのはドングリやまつぼっくりなどの秋の雰囲気を感じさせる小物です。そして添えられていた絵本は、保護者の世代でも子供時代によく読んだと思われる作品です。きっと、保護者がお迎えに来た時に、この絵本が目に留まり、ほっと一息つくことができるのでしょう。また、目につくところに絵本の並ぶ本棚があります。帰宅する前に、親子で絵本を手に取り読んでいる姿は、保護者が仕事から家庭へスイッチを切り変えるための場所になっているようです。読み切れなかった絵本は貸し出しもしていて、家庭へ帰ってから、親子が触れ合う時間作りにつながります。本棚は、書店のように季節やその時期の流行りを取り入れて定期的に本を入れ替え、子供たちがその時期関心を寄せているテーマの絵本などを置いています。

言葉で寄り添う、共育ての保育

言葉で寄り添う、共育ての保育

この園は「全職員で園児を見守る」と言う考えで保育を行っています。保護者が安心して仕事ができるよう、担当保育士でなくてもいろいろと声をかけています。これは、園と家庭が連携し、保護者が子育てを楽しめるようにするために、園内での情報共有を大切にしているからです。例えば、ちょっとケガをしてしまった園児の情報は、担当保育士でなくても全員で状況を把握して、保育士は保護者に声をかけることができます。こうした対応により、保護者は園に対して深い信頼を寄せています。園から一人ひとりの成長発達に必要な援助を的確に提供し、保護者と共有することで、「共育て」を推進しているのです。

また、この園では連絡帳で園と保護者が子供の状況を伝えあっています。文字で伝えることは、保護者も保育士もひと苦労ですが、園長は、お互いに言葉を選び、書き綴ることが、保護者と保育士がかかわるきっかけになるのでないかと考えています。保護者が忙しい場合には必要なことの箇条書きでも構わないことにしています。書かれている内容から、園児の状況だけでなく、「今忙しくて大変かな?」といったその日の保護者の状態も把握して園からいたわりの言葉を添えたり、お迎えの時の言葉かけをそれぞれ工夫したりするようにしています。このような、丁寧なかかわり方が保護者の支えになります。また、保護者にとってこの連絡帳は、親と子が辿った子育ての毎日が綴られているかけがえのない育児記録であり、園と家庭で共に育ちに関わったという記録にもなります。

園ではいつも間口を広く開けて、保護者が子供と共に楽しく通いながら子育てを楽しめるように、登園時やお迎えの時に出会う保護者への明るい声かけに努めています。


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