子供を育む公園の環境と遊び

子供を育む公園の環境と遊び

第50回 記事子供を育む公園の環境と遊び

2026.3.17

子供を育む公園の環境

子供を育む公園の環境

この園は0歳から2歳までの子供が通う小規模保育園です。隣接している公園で、毎日、子供たちはのびのびと元気に遊んでいます。公園内には夏みかん、びわなどの実のなる樹木が植えられています。小さな竹林が一角にあり、春には竹の子が出てくるのを、子供たちと観察することができます。日々四季の移ろいを感じながら子供たちは思う存分身体を動かし、遊びながら、子供同士のかかわりを通じて、心身も豊かに育まれています。

発達に応じた援助と遊びを通じた成長

発達に応じた援助と遊びを通じた成長

この公園にある水飲み場の水道の蛇口は、回した間だけ水が出て、離すと止まってしまいます。2歳児のA君が上手に蛇口を回して水を出していました。それを見ていたほかの2歳児二人が「やりたい」と言って、真似して蛇口に手をあててみますが、なかなか自分の力だけで蛇口を回して水を出すところまではいきません。二人は保育士の顔を見て「手伝ってほしい」と訴えるように困った表情をしました。保育士が回してあげれば簡単に水は出せます。しかし、子供自身の力で水を出せた、という達成感を味わってほしいと考え、保育士は微笑みながら見守っていました。

しばらくすると、この二人を見ていたA君が戻ってきて蛇口を回して水が出るように手伝ったのです。これは、子供の中に他の子に対しての関心が育まれ、子供同士でかかわりをもとうとした場面であると、保育士たちは共有しました。すぐに手を出すことなく子供たちの行動を見守ることで、子供たちに育まれている力に改めて気づくことができるのです。さらに、蛇口を回す力が同じ年齢でもできたりできなかったりすることから一人ひとりの発達の状況が違うことを確認して、個々に合わせた発達のサポートができないかという話し合いにつながりました。

話し合う中で、「遊びの中で手首をひねる動き」を取り入れるために、手首をひねって回すコマを用意しました。日常の遊びの中で、「手首をひねる」という動きは意外と少ないことに気づき、保育士が教えるのではなく、子供自身が自然と「手首をひねる」動きを覚えていけるように、遊びの環境からサポートしていくことにしたのです。こうして、だんだん蛇口を回すことができるようになった2歳児が、今度は困っている1歳児の様子を見て、手伝っている姿も見ることができました。「できなかったこと」が「できること」になって自信となり、他の子供に手を差し伸べるという子供同士が関わる姿につながりました。

保育士たちは、1~2歳の時期の子供が自分でしようとする気持ちを尊重して、温かく見守りながら遊びの環境をつくり、専門的な視点で子供の姿をしっかり見つめています。


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