職員一人ひとりの得意分野を起点にした関係づくり

職員一人ひとりの得意分野を起点にした関係づくり

第52回 記事職員一人ひとりの得意分野を起点にした関係づくり

2026.3.24

職員の経験を生かした保育

職員の経験を生かした保育

こちらの園では、日々の保育や年間行事を考える際に、「何を実施するか」よりも先に、「誰がどのような思いを持っているか」という点を大切にしています。

職員一人ひとりがこれまでに培ってきた経験や得意分野、興味関心に目を向け、それを子供の興味と重ねながらどのように保育に生かしていけるかを、日常的な対話の中で丁寧にやりとりしています。

その象徴的な取り組みの一つが、年に一度行われる年間計画策定会議です。この会議では、役職や経験年数に関係なく、常勤職員をはじめパートやアルバイト職員、採用内定者も含めた全職員が自ら考えた行事や活動について提案を行います。上位者が内容を決定しそれを現場に落とし込むのではなく、今目の前にいる子供たちの発達や興味、育ってほしい力を一人ひとりが見つめた上で、「なぜこの活動を行いたいのか」「どの年齢でどのような体験が必要だと考えるのか」を言葉にして共有していきます。

この場で重視しているのは、完成された企画であるかどうかではありません。職員自身の思いや、その人ならではの視点が込められているかどうかを大切にしています。新人職員であっても必ず提案の機会があり、他の職員と同じようにやりたい行事や行きたい遠足先等を5つ発表します。その提案の中から毎年少なくとも一つは取り入れるようにしています。

参加型の行事づくり

参加型の行事づくり

園のことを十分に知らないからこそ生まれる発想や、これまでの学生生活や地域での経験が、新たな保育の可能性を広げてくれることも多くあります。

実際に、今年度実施した夏の「流しそうめん」は新卒職員が学生時代に取り組んだ活動をもとに提案したことから始まりました。

「子供たちにもぜひ体験してほしい」という率直な思いを受け止め、「流しそうめん」で使う竹は、近隣の系列園からもらえないか相談するなど、職員同士で実現方法を考え、準備を進めていきました。このように、職員個人の経験や得意分野をそのまま眠らせるのではなく、園全体の保育へとつなげていく姿勢を大切にしています。

管理職や先輩職員は、提案に対して評価を下す立場ではなく、共に考え、形にしていく存在として関わります。「面白いですね」「どうすれば実現できそうですか」といった問いかけを通して、職員の考えを深め、必要に応じて経験や視点を補っています。

このような関係性があることで、職員は安心して自分の得意なことや挑戦したいことを言葉にすることができ、保育に主体的に関わる意欲につながっていくのです。


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