第7回 記事保育士の専門性を高める取り組み -報告・相談しやすい関係性の構築-
園長先生と保育士がいつも話し合える関係
保育士は、日々の保育の振り返りや保育士同士の話し合いを通じて、専門性を高めています。
例えば、こちらの保育園では、保育士の専門性の向上に力を入れている園長先生のもと、保育士同士の話し合いや園内研修が積極的に行われています。
園内研修では、各保育士が子供の育ちの場面を共有したり、日々の保育の中で見つけた課題を取り上げ、どのように対応すればよいかを、園全体の保育士で話し合ったりします。
話し合いの際には、他の保育士の意見等を最初から否定しないよう、じっくり聞き合い、お互いの意見を認め合いながら進めています。そうすることで、保育士同士や園長先生といつでも相談し合える関係が構築され、職員全体で園の保育方針を共有できるようになります。
保育の現場では、保育士が何か困ったことに直面した時に、気軽に相談できる他の保育士や園長先生の存在が非常に重要です。そのため、園内研修や保育士同士の話し合いを通じて、気軽に報告・相談できる関係を構築することにより、保育士同士の円滑な連携や情報共有が可能になります。園長先生とも相談しやすい関係性が構築されることで、日々の保育で困った時、新しいことに取り組みたい時など、保育士が園長先生を信頼して、積極的に相談、報告できるようになります。
全員で話し合い進める保育
また、こちらの保育園では、保育内容や保育方針について、保育士全体で話し合いを行い、保育士の意見をよく聞くということを行っています。
例えば、子供たちが毎月1回の製作と、行事にちなんだ製作に取り組んでいます。園長先生は、子供主体の保育を大切にしたいという思いから、園内での話し合いの時に、「必ずしも毎月1回製作を行わなくてもいいんじゃない?」と提案してみました。それに対してある保育士は、「子供たちに無理にやらせるのはよくないが、例えば、乳児であれば毎月行う経験の中で学ぶことも多いので、毎月の製作や行事の経験を積み重ねることは、子供たちの育ちにとって大切だと思う」という考えを伝えました。
保育士全体で話し合う中で、定期的な製作が子供たちの育ちを支えていると感じる保育士も多く、園長先生は、保育士全員で話し合って決めたことを尊重し、製作を続けることにしました。正解が必ずしもあるというわけではないですが、子供にとって何が大事かを考えることはもとより、保育士の思いも尊重しながら進めることで、保育士自身が納得して次のステップに向かうことができます。
このように、保育士は、自分たちの保育内容について振り返り、話し合いながら、専門性を高め続けているのです。
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